Spectrum Tokyo Festival 2024 開催レポート&イベントデザインの裏側

2024年12月7〜8日、Spectrum Tokyoでは『Spectrum Tokyo Festival 2024』を開催いたしました。
今回で3回目となる本Festivalには、2日間で総勢400名以上の方々にご参加いただきました。誠にありがとうございました!

Spectrum Tokyoは少人数で運営しているため、常に忙しく、これまでFestivalに関して多くを語る機会がありませんでした。そこで今回は、全体のPMを務めた私、野島より、イベントの裏側をいくつかお伝えしたいと思います。Spectrum Tokyo最大規模のイベントがどのように作られているのか、ぜひご覧ください!

当日のセッションについてはこちらの記事へ
Spectrum Tokyo Festival 2024 登壇資料・レポートまとめ

3回目のFestival、新しく挑戦したこと

来場者の体験を向上させ、より多くの対話を生むことを目指し、今回も新たに挑戦したことがいくつかあります。その一部をご紹介します。

カフェエリアを新設

カフェエリアを総合的にプロデュースしてくれたHalさんとご協力いただいた谷さん

会場の奥に、特別なコーヒーが楽しめるカフェエリアを設けました。Local Stageの奥にあったのですが、みなさんはたどり着けましたか?

Festivalは2日間フルにコンテンツが提供されるイベントです。参加者の皆様に美味しいコーヒーを飲んで元気に1日を過ごしていただきたい。そして、コーヒーを通じて交流が生まれれば、という思いから、コーヒー好きのスタッフHalさんが中心となり、効率よく美味しいコーヒーを提供する方法を試行錯誤しました。(詳しくは、Halさんのnoteをご覧ください。)

以前、別のデザインイベントではチェーン店のカフェからコーヒーを発注・提供したこともありましたが、今回は専用のカフェエリアを新設し、最高のコーヒーを一杯ずつドリップで提供する形式に挑戦。コーヒー自体は好評だった一方で、予想以上の大行列ができてしまいお待たせしてしました。コーヒーをきっかけに多くの交流が生まれたことは嬉しかったものの、イベント設計の難しさを改めて実感しました。

コミュニケーションを活発化させる言語シール

イベントでは、全員が首にパスをかけて参加します。一般来場者、スポンサーを含むパートナー、スタッフ、登壇者の4種類があり、それぞれ色やデザインが異なります。

今回は、このパスに追加で貼る「言語シール」を用意しました。自分が使える言語を表明できるシールです。

Festivalの来場者は日本人のみでなく、2〜3割が海外ルーツの方。グローバルでありたい私たちにとって、このシールの導入はチーム内でも非常に多くの議論が行われました。本来、誰もがプレッシャーを感じることなくコミュニケーションを取りやすくするためのものですが、一歩間違えると特定の言語しか話せない人を排除する形になりかねません。「英語NG」などの表記ではインクルーシブではなく、記号や色分けだけでは機能しないという課題もありました。

最終的に、今回は国旗や地球のアイコンと言葉を組み合わせた表現に落ち着きました。ただ、今後も改良の余地があると感じています。どんな人も傷つけず、より多くのコミュニケーションを生む仕組みを引き続き模索していきます。

プレミアムチケット制度の導入

今回初めて導入したプレミアムチケット制度。このチケットは、日頃からSpectrum Tokyoを支援してくださる皆様のために作ったものです。通常チケットよりも少し高価ですが、その分プレミアムグッズの配布に加え、バーで好きなだけ飲める「飲み放題」が含まれています。パスには王冠のマークがデザインされており、一目でプレミアムチケット所有者だとわかるようになっています。

アルコール度数が高めのカクテルも提供されていたため、「飲み放題で治安が悪くなったらどうしよう?」と少し心配していましたが、来場者の皆様の理性を信じて実施。結果として酔いつぶれる方もおらず、皆様のご協力に感謝しています。

プレミアムグッズも非常に好評で、結果的に最もお得なチケットだったかもしれません。

大好評だったプレミアムグッズ

ノベルティを超えたグッズ制作と物販

今回は、Spectrum Tokyoプロデューサー・三瓶の強い思いから、さまざまなグッズを制作しました。もともと自身のバンド活動に付随した制作がデザインの原点でもある彼にとって、グッズ制作には強いこだわりがあるようです。

一般的なイベントではノベルティが全員に同じものとして配られることが多いですが、人によっては不要な場合もあります。無駄をなくすため、Spectrum Tokyo Festivalでは好きなグッズを選べる仕組みを採用しています。今年はなんと17種類ものグッズを用意しましたが、作りすぎたかもしれません……。

そして今回はプレミアムグッズを特別に制作し、こちら含めいくつかのグッズは販売もしました。「お金を払ってでも欲しいと思えるグッズ」を作れてよかったです。

ライブハウスでよく見るタイプのグッズショップ

イベントの価値につながる細部へのこだわり

会社説明じゃない、会場を盛り上げるスポンサーブース

今回も多くのスポンサー企業様にご協賛いただきましたが、「スポンサーブースが楽しい」という声も多く、イベントの価値を高める要因になっていると感じています。

これはスポンサー各社のイベントへの理解があってこそ。私たちはまず「来場者が楽しい体験をできるインタラクティブなブースのほうが企業にとってもプラスになります」とお伝えしています。その結果、各社が我々の意図を汲んでくれて、想像を超えるアイデアを形にしてくれています。今回も充実したブースばかりで、一緒にイベントを作っていると感じています。

スタッフ第一主義 スタッフエクスペリエンスの追求

このイベントは、休日を返上して参加してくれるボランティアスタッフなしでは成り立ちません。なので、スタッフには新しい仲間も作って欲しいですし、イベント運営に関する学びを得て達成感を感じて欲しいと思っています。

そのために私ができることは、一人ずつ特定の持ち場を作らず、ローテーションで各役回りを担当してもらうことです。カフェエリアやバーはそれぞれのマネージャーのもとに飲食経験のある数人をアサインしますが、多くは会場内を担当するスタッフ。例えば「Aさんは受付」「Bさんはグッズの配布」と役割を決めてしまえば管理は楽になります。しかし、それでは新しい人にも出会えないし、イベントがどのように運営されているかの理解にも繋がりません。なので、1時間ごとのシフトを組んで、それぞれが色々な持ち場に入れる仕組みにしています。しかし数十名のスタッフのシフトを組むのは意外と重労働で、2日ほどかけて調整しています。

ただ、これをやることによって「楽しかった!」「友達ができた!」「来年もやりたい!」とスタッフが言ってくれるので、とても嬉しく思っています。今回は特に、2〜3年連続で参加してくれたスタッフに救われました。本当に気づきにくい部分ではありますが、こういったところはこだわりを持って運営しています。

今回お手伝いいただいたスタッフたち。ナイスチーム!

今後のSpectrum Tokyoにもご期待ください

このように多くの工夫や協力のもとで開催されたSpectrum Tokyo Festival。改めまして、お越しいただいた皆様、協力いただいた皆様、ありがとうございました!スタッフ一同、#spectrumfest2024 で共有される感想や写真を楽しく拝見しています。

Staff Credits

Organizer : Ryo Sampei
Project Management, Staff Management: Arisa Nojima
Communications & Social Media : Marika Hirano
Food & Bar Guy : Noriaki Kawanishi
Coffee Guy : Haruta Masaki
Brand Identity : Miwa Kuramitsu
Web Design : Sho Kuwabara
Signs & Tickets Design : Ayako Suzuki / Shiho Inoue / Sho Kuwabara
Photography : Ayu Kitajima
Premium Swag Design : Kiyoe Yokokura

Stage Hosts : Chiaki Sato / Mizuki Yamamoto / Takeshi Yamada / Riho Ichiki

AMA Hosts : Tomoko Miyake / Katsuki Inoue / Oli Studholme / Shinnosuke Horiuchi (Brian)

Volunteer Staffs : Nozomi Hamanaka / Masakazu Ikeda / Shiho Inoue / Saori Iwai / Mayuko Kano / Mizuki Kobayashi / Hiroki Saiki / Masaya Takizawa / Chinatsu Tomiyama / Saya Yoshida / Ayako Suzuki / Atsushi Tsuboi / Mamiko Numajiri / You Kukita / Takeshi Asahara / Wakana Saegusa / Sakura Sumi / Shota Yoshizawa

Bar Staffs : Yuichiro Tamai / Yuki Ohta / Izumi Honnami / Aimi Hayatsu / Aino Kishimoto

Cafe Staffs : Hiroki Tani / Ayaka Morinaga / Soyoko Konda / Oki Hebiishi

Tech Staffs: Akimitsu Kino / Sho Kuwabara / Takanori Oki / Shusei Toda / Yuta Kojima

Partners : Y’s Curry / Aashirwad / Kurosaki Base / RINDA

Sponsors : GMO Internet Group, Inc. / note inc. / DMM.com LLC / Gaudiy Inc. / cybozu.inc / Bitkey Inc. / LegalOn Technologies, Inc. / SmartHR, Inc. / Morisawa Inc. / inquire Inc. / pixiv Inc. / Wantedly, Inc.


Spectrum Tokyoチームは今後も新しい挑戦を続けながら、より発展していければと思っています。少人数で運営しているため、Spectrum TokyoやFestivalに興味をお持ちの方はお問い合わせフォームより気軽にご連絡ください!

写真ギャラリー

Written By

野島 あり紗

Specrum Tokyoの編集部員。マサチューセッツ美術大学を卒業後、ゲーム系制作会社やデザイナー向け人材サービスのスタートアップに従事し、2021年に独立。デザイン界隈のフリーランスとして現在は各種デザイナーの採用、執筆編集などを行う。好きなものはラジオと猫。

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